ぼくの今年のイチバンは間違いなく「門あさ美」なんだけども、純粋にアルバム1枚を選ぶとすれば、滝沢洋一の『レオニズの彼方に』(1978年発売)かなぁ。他にも間宮貴子の『LOVE TRIP』とか、まだブログに書いてないけれど、今年は素敵な音楽にたくさん巡り会えた。
YouTubeで『メモランダム』を聴いたのがこのアルバムとの出逢い。歌はあんまりうまくないけど(失礼)、”美メロ”に乗った70年代のフォークっぽい歌詞と、それにからむエレピがストライクど真ん中で気絶。タワーレコードからの「ご注文ありがとうございます」的なメールの着信音で目が覚めた。
そういえば、このジャケットは例の本で見たことがあるなぁと思って確認してみたところ、“職人による知られざる奇跡の名盤” の1枚として紹介されているではありませんか。なるほどそういうことだったのか。名作と認知された後もなかなかCD化されなかったみたいだけど、フタを開けてみれば、レコード会社の違うシングル2枚(4曲)をボーナストラックとして追加した完全盤! ちょっと高いけどそういうことなら納得。
例によって滝沢洋一に関する情報はほとんどなくて、CDについてるライナーの丸写しになってしまうのがアレなんだけど、アメリカ生まれで幼少期にイランに住んでいたこともあるとか。大学在学中に荒井(松任谷)由実を発掘したアルファレコードの村井邦彥に才能を認められる。大物歌手やアイドル、アニメ方面にヒット曲を提供しつつも、本人はあまりいい生活はしてなかったらしい。今年で67歳のはずなのに、ちょっと前に亡くなってしまっている。
「レオニズ」は「しし座流星群」のこと。70年代の宇宙ブーム(?)の影響もあったのかな? ジャケットはCDサイズって事もあって、ゲームのパッケージのような8bit的な雰囲気で、3周くらいまわっていい感じに見える。ぼくがしびれたエレピは、アレンジの「佐藤博」によるものだった。超納得。村上ポンタ秀一や鈴木茂などなど、バッキングを支えるメンバーも超豪華。当時このアルバムが売れなかったのは、20年先を行ってたからに違いない。
<2021年4月23日追記>
謎に包まれていた彼の生い立ちや晩年の生活と、幻の2ndアルバムについての記事が出たぞ。