42年の時を経て。

フラゲ

10月に注文した滝沢洋一の幻の2ndアルバム『BOY』が発売日前の17日に到着した。まさか聴けると思ってなかったから興奮してCDとレコード両方買ってしまった(笑) CDはボーナストラックとして、シティーポップのインフルエンサー(?)による『かぎりなき夏』のリミックスバージョンと、滝沢家で発見されたこのアルバムのカラオケのオープンリールの音源が収録されている。

レコードとCDはジャケットが違う

これまでのあらすじ

“幻の”というのは、42年前…1982年の7月に発売予定だったのが運悪くお蔵入り。関係者も散り散りになり本人も2006年に亡くなって、アルバムの存在は忘れられてしまった。一方、母の影響で子供のころにハイ・ファイ・セットを聴いていたライター都鳥流星が『メモランダム』で滝沢洋一にたどり着き、ラストシングル『サンデーパーク』のライナーに「2ndアルバム発売予定」の告知を見つけ、その行方を追う。

滝沢洋一氏の家族や、『レオニズの彼方に』リイシューの立役者であるところの金沢和寿氏、当時のスタッフ等々に接触してなんとか世に出せないものかと奔走するも、マルチマスターは残っているがミックスダウンしたマスターテープ(=完成品)が行方不明という壁にぶち当たる。ここからは本当に細い細い線をたどって、当時の関係者が滝沢氏からもらったという完成したアルバムを録音したDATと、滝沢家に保管されていたカラオケのオープンリールの存在が明らかになる。このふたつを参考にして状態良く保存されていたマルチマスターから新しくミックスダウンしたのが今回発売の『BOY』というのが大まかな流れ。資金提供したのが株式会社まぐまぐ。

音もいいと思う

ちょっとした幸運(笑)
「東京は人の住む所じゃないと思う。」

タイトルの通り「少年性」がアルバムのテーマとのことで、ジャケットがとてもわかりやすい(笑) インナーの写真は同じかと思ったら微妙に違って、これもとてもいい。インストナンバー1曲を含めて全9曲。西城秀樹がカバーした『かぎりなき夏』がハイライトなのは間違いないが、個人的には北野武に提供した『シティーバード』がやっぱいいかなー。あまりにも予想外だったのが『ビーナスのいた朝』で、やまがたすみことデュエットしてること。まだまだ全容をつかめていないけれど、1982 Mixのカラオケ(CDのボーナストラック)と2024 Mixのバッキングの違いがわからない高忠実度。

写真が傾いているのはフラッシュの反射を避けるためなんだけど
全体的に雑な写真で申し訳ない

シングルで発売された『サンデーパーク』と『シティーバード』は1982 Mixで当時のマスターを使っている。この2曲は2015年発売の『レオニズの彼方に』のCDにもボーナストラックとして収録されていて、ちょろっと聴き比べたところ、『BOY』収録に際してリマスターされているのがわかった。疑似サラウンドっぽいとかいうこともなく全体の雰囲気は同じで、『BOY』収録の方が音に実体感というのか潤いがある。『レオニズの彼方に』の方が若干音が平べったい。というわけで新しくミックスされた『BOY』は音も良いのではないかと思う。これをキッカケに「オリジナルミックスのマスターテープが発見されました!」とか、ないでしょうねぇ?(笑)

買うけどさぁ

リミックスがA面なんだ

わかる、わかるんだけど、CDのボーナストラックでお願いしたかったよ。

コメント

  1. いつもありがとうございます、なんとか形になりました。今後の展開にご期待ください。引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

    • 都鳥さん、ありがとうございます!
      こんな僻地のブログにコメントいただけるなんて感激です。悪口は書けないですね(笑)

      ぼくも『メモランダム』でノックアウトされたひとりです。まさか『BOY』を聴ける日が来るとは…この物語をリアルタイムで追うことができたのも幸運でした。そしてまだまだ続くんですねー! 楽しみにしています。

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