モダン・ジャズ・ピアノの創始者といわれるバド・パウエルの「ザ・シーン・チェンジス」。1958年録音。パウエル入門盤という紹介で、ジャズを聴き始めた最初の頃に買ったCDだったような気がする。
1曲目の「クレオパトラの夢」がビールのテレビCMで使われたことが有名で、確かに最初はそればかり聴いていて、それ以外はピンと来るものがなかったんだけど、しばらく聴き込んでるうちに、ほかの曲のコロコロと転がるような単音のソロが気持ちよくなってきた。
この時期のBlue Noteのピアノの音は全体的にこもったような録音なんだけど、それがパウエルの演奏にはよく合ってる気がする。ビル・エヴァンスのピアノがこの音だったらちょっとイヤだ(笑)
ジャケットに一緒に写ってるのは当時3歳のパウエルの息子。結婚して家族ができて平穏な生活を通して生まれたのが本作だとか。この後パウエルはパリに移住して、演奏はもっと穏やかなものになっていく。