ポーランド旅行:6日目〜そうだ、京都行こう。


ポーランド最終日も昨日と同じガイドさんにお世話になる。ホテルでチェックアウトの手続きをしてるときにガイドさんが来てくれた。フロントの人に、(何かの)税金だけ現金で払ってくれって言われたのを通訳してもらったのと、荷物を預かってもらうようにお願いしてもらった。朝からお世話になります。

ホテルの真ん前に止まってるバスにのって、ヴィエリチカ岩塩坑に向かう。今日は営業中のショッピングモールを横目に、30分くらいで到着。天気予報通り雨が…ここは屋内だからいいんだけど。ポーランドの天気予報は晴れ・曇り・雨の全部が表示されていてよくわからない。ガイドさんによると3時間くらいで天気が変わる事が多いとか。

入場券売り場。写真を撮る場合は別にお金がかかる。撮った後で精算してもいいシステムらしいけど、先に払っておく。20人くらい集まったところで入場。英語のガイドツアーをガイドさんに日本語に訳してもらう・・・というか、ガイドさんも普通にガイドできるくらい詳しい。

ヴィエリチカ岩塩坑は、その名の通り岩塩を掘っていた場所で、今はコストと安全性の問題から採掘は行われていない。でも、周辺のわき水を処理するためにほんの少しだけ生産しているとのこと。お土産で売ってる塩がこれなのかな?

ガスが出てる場合があるから火気厳禁と、落書き禁止という注意を聞いたら、長い長い長い長い階段をひたすら下る。丸い螺旋階段だったら確実に吐いてたと思う。坑内は暑くもなく寒くもなく快適。換気のためか、結構強い風が吹いてる。

いくつかのエリアに区切られていて、各時代ごとの採掘方法や道具の展示と、実際に鉱夫たちが掘った彫像や壁画を見ながら進んでいく。壁も床も全部塩で、今でも壁や天井で塩の結晶が成長している。試しにちょっとつまんで食べてみたらしょっぱいけどおいしい。僕たちの直前にいたバカップルは、直接壁をなめるところを写真に撮ってた(笑)

本当に原始の時代は、わき水を煮詰めたりして塩を取りだしていた。それが13世紀くらいから直接掘るようになって、最初は人力で滑車を回して地上まで運んだ。

その後、時代は進んでドリルで掘るようになったり、馬に滑車を回させるようになっていく。仕事は分業制になっていて、実際に塩を掘る人、運搬(木工も含む?)の人、地下水の処理などなどそれぞれのエキスパートによって支えられていた。

隙間にたまっているガスを燃やすのは年長のベテランの仕事。鉱夫が彫った像や壁画は王様や神話を題材にしたものなど。

その昔、塩は金と同じ価値があって、重要な輸出品でもあったため、王様も現場を見に来たりしていたとか。労働法的なものもあって、強制労働は一切なし。給料もよかったみたい。確かに強制労働だったら彫像とか壁画なんてないよねー。

礼拝堂に到着。礼拝堂を作るために掘ったんじゃなくて、岩塩を掘った後の空間を利用したもの。天井から下がるシャンデリアも塩の結晶でできてる。高いけど、予約すればここで結婚式もできるって。


ドイツからのツアーご一行様が突然歌い始めて、ちょっと厳かな感じになった。 音響的にもいいらしく、コンサートが開かれたりもするらしい。

壁画は素人(=鉱夫)が彫ったと思えないほどのクオリティーで、特に最後の晩餐の立体感は見事。近くで見るとそんなに深く掘られているわけでもないんだけど。

そしてさらに深く深く降りていくと、水がたまってるところが何カ所か。音楽が鳴って、神話の世界を表現するようなアトラクションもあったけど、正直ビミョーだった(笑) 坑内にいた馬の健康状態が非常に良かったためにいろいろと調べてみたら、坑内の空気が影響してることがわかって、この辺はサナトリウムとして利用されている。でもなー、塩だからカメラには良くないだろうなぁ。

ヨハネ・パウロ2世が来る予定だったところにはレリーフ。ものすごく大きな木造のこういうのはなんて言うのかなぁ。

ポーランド建国の父、ピウスツキの像。ポーランド中のいろんなところにこの人の像があるけど、共産党時代はこの人の像は禁止だった。

売店やトイレのあるところで休憩というか、ここまででガイドツアーは実質終了。ここには、共産党時代に作られた像があって、それがいかにもな感じでウケる。

帰りのエレベーターまでの道に「父」の文字がたくさん…ヴィエリチカ岩塩坑のマークなんだけど、いったん父に見えてしまうと、もうそれ以外には見えない(笑) 鉱夫が使っていた2階建てエレベーターに詰め込まれて地上へ。

ここでお昼。道路の向かい側にあるレストランへ。今日は昼間からビールを飲んでしまおう!ポーランドのビールは冷えてたし、特に違和感も無くおいしかった。赤カブのスープやロールキャベツ、それとパンに入ったスープ。

お腹いっぱいになったら、バスでクラクフに戻る。その途中で、変なやつに「中国人、何見てんだよ!」的に絡まれたけど、ガイドさんに助けてもらった。なんかスリっぽい人だとか。

引き続きガイドさんに案内と解説をしてもらいながら、クラクフ旧市街を歩く。雨だったのと、教会だらけだったのとで、正直なところどこをどういう風に見て回ったの理解できていない。クラクフの街はドイツ軍が司令部を置いていたせいで、戦争でほとんど破壊されず残っているのと、かつては首都だったということで、日本の京都にたとえられる。

現在地を確認。今いるところはすでに城壁の中で、バスからも見えたヴァヴェル城に行く。城に来たはずなのにヴァヴェル大聖堂の中に。ここは全面撮影禁止だった。ポーランドの守護聖人であるスタニスワフの聖遺物を中心に、歴代の王様の墓が置かれている。その装飾の見事なこと。非常に徳の高い場所で、最近はいろんなところから巡礼のツアーが来るようになったとか。ヨハネ・パウロ2世も聖人になるべく手続き中とのことで、祭壇があった。

中庭。錬金術・・・今で言う科学大好きな王様が壁を吹っ飛ばしたから途中までしか装飾がないとか、とにかく雨がねー。

教会だらけの通り。カラオケの看板なんかも。

アウシュビッツで身代わりになったコルベ神父の教会?

ヨハネ・パウロ2世が若かりし頃に住んでいた学生寮だったかなー。カトリックの教会で結婚式を挙げておきながら、ローマ法王って僕にとってはまったく現実味のないものだったけど、今回の旅行で興味を持った。国籍を超えて選ばれること、襲名的に名前を決めること等々のシステム部分と、ヨハネ・パウロ2世のポーランド国内での存在感というのか影響力の強さ。何よりも宗教や法王が存在していることの実感というのか・・・うまく表現できないけど、初めての感覚。

ヤギエヴォ大学。ヨーロッパで2番目に古い大学。コペルニクスもヨハネ・パウロ2世もここで学んだ。ポーランドは国立大学に日本学科あって、ガイドさんもそこの出身だって。超エリートじゃん!

中央広場の旧市庁舎の棟と織物会館。

非常に大きな建物で、1階はお土産物屋がぎっしり。美術館や博物館もあるみたいだけど、時間の関係でそのまま通り抜け。

最後は聖マリア教会。祭壇には聖母マリアが天に昇っていく様子、周りの壁には聖書の物語の絵が描かれている。

両側のステンドグラスが無いのは、戦争で壊れてしまったから。

天井はゴシック様式だけど、それ以外はバロック様式になっていて、このあたりの教会によく見られるこういう組み合わせは、当時の流行で王様が作り替えたりした結果だって。

バルカバンの横を抜けてクラクフ旧市街を脱出。ガイドさんによると、しっかり見ようと思えば旧市街だけで8時間、クラクフ全体だと3日かかるとのこと。今回は駆け足で本当にさわりだけしか見られなかったなー。クラクフがこんなにおもしろいとは…油断してたぜ。

ホテルで預けた荷物を受け取って、空港行きの電車に乗る。切符を買う小銭が足りなくて、ガイドさんに両替してもらったり、またまた最後の最後までお世話になってしまった。ポーランドの人は本当に親切。

空港駅でターミナル行きのバスに乗り換えて、ガイドさんから聞いた第2ターミナルで降りたら、なんと国内線のターミナルだった。第1ターミナルがどっちなのかもわからないし、次のバスまで待ってると飛行機に間に合わない!しばらく悩んで、雨も強くなってきたからタクシーで第1ターミナルまで送ってもらう。実はすぐ裏だったんだけど(笑)

なんとかチェックインを済ませて、残りのズウォティで夕飯のサンドイッチを買い込んで、ドイツ行きの飛行機に乗る。さらば、ポーランド。素敵な国だった。

  1. はじめまして、ポーランドのネット事情を検索して来ました。
    来週ポーランド出張です。シンガポールからフランクフルトへ12時間もかかるんですね。成田からフランクフルトも同じ時間です。大きい空港なので、乗り換えが心配ですが、この時期ミュンヘン便が満席でした。

    • aripさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

      飛行機のチケット手配で出遅れたので、シンガポールを経由することになってしまいました。が、シンガポール航空はなかなか良かったです。フランクフルトは自分がどこにいるのかさえわかれば大丈夫(笑)

      ポーランドのネット事情とのことですが、借りて行ったWi-Fiルーターがちゃんと動きさえすれば、iPhoneで地図を見ることもとくにストレスは感じませんでした。仕事ならWi-Fiサービスのあるホテルをおさえておくのもいいかもしれませんね。出張がんばってください。

      • ホテルにはWiFiがあるので通信面は大丈夫かと思いますが、SIMフリーのiPadとか買えたりしないかなと思っています。1回だけ週末が入ります。ベルリンに行ってみようと思いましたが、仕事はブロツワフなので、アウシュビッツとかヴェリチカが多分近いです。クラクフは行ったことがあります。

        • すでにiPadをお持ちなら、海外ではSIMフリーかもしれませんよ? 保証はできませんが…。

          知らなかった!日本国内で購入したiPad/iPad miniも海外ではSIMロックフリーになる
          http://netafull.net/travel/045053.html

          ベルリンは…何もないような気がします(笑)
          http://uosan.info/20100520/4369/

          • iPadは初代のWiFi版です。iPhone3Gのようにめちゃくちゃ遅く感じることもないので使い続けています。家ではiPadの画面の大きさが良いです。持ち続けると重いです。iPad miniが出た時はnexus7 WiFi版を買って1年くらい使いました。この大きさだと持ち運びに抵抗がないですが、固定して使うには小さいです。言語入力が慣れません。iPad airかiPad mini retinaが良いなと思ってます。海外で安く買えるのでなければ日本で契約して試すのも良いかもしれません。買うなら今日しかありません。

          • 買う気満々で行ったらmini retinaは未発売?

  2. ベルリンの記事読ませていただきました。観光スポットが離れていて結構移動が多く歩くみたいですね。時間は取れないと思うので、プラハの方が良いのかもしれません。
    ドイツをずいぶん回られているんですね。デュッセルドルフはミュンヘンより都会と思ってましたが、逆とは意外です。ミュンヘンは空港しか行ってませんが。ポーランドから来るとドイツは綺麗で親切という印象なんですが、ドイツだけだとそう感じないようですね。ドイツには物乞いはいないと思ってました。
    ポーランドは隣のせいか食文化も近いのかもしれません。辛いものは食べないようです。キーを2回回すのもポーランドにもあるのかもしれません。

    • ドイツに義妹夫婦が赴任していた2年間にドイツを周りました。ものすごく合理的で便利な国ですよね。もうずいぶんと時間が経っているので、今のドイツはまた違っているかもしれませんね。プラハは写真を撮りに行ってみたいです(笑)

      • ケルン大聖堂に感動した様子が伝わりました。今年の夏にイタリアへ行ったのですが、最後だったので感動が薄れました。イタリアは高速鉄道が整備されてて快適でした。ポーランドは無いので都市間の鉄道移動に時間がかかり過ぎ。

        • 最後に行ったのはミラノ大聖堂でした。

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