ビーム管。


ユニゾンリサーチのSimply Italyに標準装備されているTUNG-SOLの真空管(EL34)なんですけど、ホコリが積もったりしてくすんできたから、引っこ抜いてメガネ拭きで軽く拭いてみたら、「UNISON RESEARCH」のプリントが消えました。まぁまぁ、それはいいとして、片方の真空管のセンターガイドピンが折れてなくなっているではないか。



これは真空管をソケットに挿す時の方向を決めるもので、なくても使用上は問題ないんだけども、折れた部分はアンプの中? アンプを持ち上げて傾けてみると、中からカラカラ音がする。アンプを裏返して開腹。折れた部品の摘出完了。それにしてもいつ折れたんだろう? 抜き差しする時なら折れる感触と部品が落ちる音がするはずなのに。



差し込み方向を間違えないように気をつけて真空管を元に戻しつつ、違うメーカーのに差し替えてみようかなぁなんてことを思い立ってしまった。標準のTUNG-SOLもそこそこいいヤツだから、ここはひとつビンテージだとかNOS(=デッドストック)ってことで探してみたけど、どこも売り切れだったりやたら高かったりという想定内の感じで早々に断念。そもそもEL34でビンテージっていうのもアレかー。



そういうことならば、前々から気になっていた「違う種類の真空管に差し替える」ってやつをやってみようじゃねぇの。EL34をそのまま差し替えOKで、かつ内部構造の違う真空管というとKT77しかなくて、そうなるとメーカーはJJかGenalexの2択。Genalexは「Gold Lion」という高級ブランドで、違う種類の真空管ながらユニゾンリサーチの25周年記念モデルの80万円級のアンプに標準装備されていた記憶がある…高級ブランド(の復刻版)だから少々お高めだけどこれにしよう。



Gold LionのKT77だけなら国内でも普通に売ってるけど、電圧増幅管であるところの12AU7(ECC82)も25周年記念モデルと同じようにGold Lionでそろえておきたいってことで、アメリカのTubes For Ampsにオーダー。ここはヤマト運輸で発送してもらえるのが心強い。今回は税関で700円プラスされて5日ほどで到着。いつもお世話になっております。



KT77はEL34が普及していく中で、それの高級版として競合メーカーが作ったみたいだけど、結局は普及しなかったという真空管。だからそのまま差し替えできるんだね。EL34の「5極管」に対して「4極ビーム管」という構造で、見える部分では中の四角い部分(プレート)がガラス管ギリギリまで大きい。それにしてもGold Lionは高いだけあって全体の造りがきれいだわー。心なしかガラスが厚い気がするし(笑)



12AU7はTUNG-SOLのままにして、EL34をKT77に差し替えて音を出してみる。おおお! EL34に比べると高域のヌケが良くて、低域がクッキリパワフル。反面EL34にあったしっとり感というのかコクみたいなものは薄いかなー。でもKT77の音のほうが気持ちいい。プレートに窓がないから見た目が暗くなってしまったのが不満といえば不満。もうちょっとこのまま聴いて、今度は12AU7を差し替えてみよう。


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