ジャケ買い。

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とりあえず邦楽らしいことはわかる

ラジの『Acoustic Moon』を入手する前々日のお話。黒猫のレコードセールでちょっと勉強したぼくは、再びグリーンファームのジャンクレコードを漁りに旅立つのでありました。そしてそこで出会ったのが、EP-4の『Lingua Franca-1 昭和大赦』というレコード。タイトル等々サラッと書いたけども、初めて見たときはアーティスト名とアルバム名の区別もつかなかったし、ジャンルも何もかもが想像すらできなくて、一旦は棚に戻したものの不穏な感じのジャケットがどうしても気になって、300円ならばと思って保護した次第。

まったくわからない

帰ってきてTwitterに「本日の謎レコード」的に画像を上げたら、そこそこ高額で取り引きされているレコードだという返信が来た。ということは、何かしら有名なアルバム? おそらく今世紀初の“ジャケ買いインスピレーション”を大事にしたいから、インターネッチョで調べたい衝動をグッとこらえて、まずはジャケットやライナーをチェック。

撮影日?
ジャケットの写真を撮った藤原新也による「曖昧な赤子」
これは帯で隠した感がある

右下に「81・10・2」とあるのは写真を撮った日? 撮影は藤原新也。ライナーには赤い大きな文字が…怖い怖い! 帯の下に「昭和大赦」って書いてあるぞ? ますます深まる謎。はやる気持ちを抑えつつレコードをクリーニング。盤は裸でジャケットに入れられていたけど、奇跡的に状態は良くて新品同様だった。そもそもあんまり聴かれていない感じ。ジャケットもきれい。

EP-4 – Robothood Process

プレーヤーにセットして慎重に針を下ろすと聴こえてきたのは…ズシンとくるバスドラム。間もなくベースが重なって、その土台の上でシンセサイザーやパーカッションに加えて拡声器で話しているような声がずっと鳴り続ける。2曲目はテンポアップ。ギターのカッティングがかっこいい!だがこれにも拡声器の声が…5曲目は「ココ・ココ」という女性の声が印象的な祭囃子(?)ナンバー…やはり拡声器の声が。

ご了承下さい

B面の最後はビートルズのサージェント~と同じようにエンドレスになっていて油断できない。結局全てがこの色で、悪くはないんだけど全体的に騒々しい。

AF-7205

で、これはいったい何なのかインターネッチョで調べてみたら、「EP-4」は80年に京都で結成されたニュー・ウェイブバンドで、今回ぼくが入手したこのレコードは1983年(昭和58年)に発売された唯一のスタジオアルバムだということが分かった。このアルバムが発売される時には匿名で6万枚のステッカーを街中に貼るというゲリラ的なパフォーマンスもあったとか。で、ぼくが不穏に感じたジャケットの写真なんだけど、この家は80年11月に起きた「金属バット両親殺害事件」の現場なんだって。今でこそTwitterやLINEで”現場”の写真は即時に飛んでくるけど、当時はセンセーショナルだったんだろうね。なるほど、こういう音楽以外の部分もウリだったのか。

EP-4 – Lingua Franca X (1984) [Full Album]

このアルバムのタイトルは当初『昭和崩御』でジャケットは軍鶏のアップだったのが、「昭和崩御」がレコード倫理委員会の規定を通らないということでこの形になったみたい。昭和天皇が元気だった時に「崩御」とは、なかなか先見の明が…いや、なんでもない。『Lingua Franca-1 昭和大赦』は同じく1983年に発売されたカセットブック『制服・肉体・複製』と合わせて『リ・ン・ガ・フ・ラ・ン・カ DELUXE』として2011年にCDで発売された。その翌年の2012年にEP-4はバンドとしての活動を再開しているとか。久々のジャケ買いは、遥かなる昭和50年代への郷愁と、今みたいにいろいろが見えすぎない時代のロマンを感じたね。価値ある300円だった。

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