「木曽におもしろいカレー屋がある。」という情報を入手したのは、ポーランド旅行の興奮冷めやらぬ、5月の末の事。インターネッツで調べてみると、その独特の外観と、ノリのいい店主夫妻がいろいろ仕掛けてくるという、カレー以外の事が多く書かれているのでありまして。
何よりもその見た目に惹かれたぼくは、ことあるごとにTwitterで「行きたいなぁ。行きたいなぁ。」とつぶやいていたところ、「Googleマップでは違う場所が表示される。実際の場所を知っている。」という物好きな方を発見。その物好きな方を案内役に引き連れてミッションがスタートしたのは、日曜日の午前中の話でありまして。
事前に調べた内容で、これから起こるかもしれない状況に思いを巡らせてる内に目的地の前を通過。カーブを抜けた直後にある上に、あまりにも周りと同化していて気がつかなかった。Uターンして戻ってくると、今度は上り坂のてっぺんに阻まれて、直前まで見えないのでありまして。
そんなこんなで、ちょうどお昼に「かけはし食堂」に到着! なるほど、ネット上にある画像がみんな同じなのは、横にクルマを止めてそこから写真を撮って走り去るからなのか。「どうする?本当に行く?」…クルマを降りて営業中を確認したら、その勢いで一気に入店。そこで目にしたものとは…!
どっしりすわってテレビを観ているご主人(笑) 「あ、お客さん?」みたいな感じで厨房へ。そして奥さんが、おそらく醤油が入っていたと思われるペットボトルで水をサービスしてくれた。ぼくは「ポークカレーライスのやや辛」、物好きな人は同じく「やや辛の半分盛り」をオーダーして、店内を見回す。写真を撮っていいかどうか訪ねると、自由にしていいとのこと。
壁には詩的なもの、天井には有名な(?)絵が貼ってある。壁は上からまた白い紙を貼ってるんだな。天井は、こういう模様なのかと思ったら、貼ってはがした跡が無数に重なったものだった。
そうこうしているうちに、カレーが出てきた。ぼくのはオーダーしたのと違う「ふつう辛」だったけど、細かいことは気にしない(笑) 半分盛りは別付けのルーが無いだけ?懐かしい金属の皿に大葉と福神漬けの彩りがまぶしい。ポークカレーの名前のとおり、具は豚肉のみ。のみなんだけど、やや厚切りのこの豚肉がほとんど脂身で、ちょっとクセがある。カレー自体は…スパイス感薄め。薄めというかほとんど無いのでありまして。店の外にカレーの香りがしないのも納得でありまして。
食べ終わってまたまた店内を見回すけれど、店主夫妻は厨房から出てくる気配は無く、絵を描く気満々だった物好きな人は若干の拍子抜け状態。さっき、「ちょっと前にインターネットで話題になって大変だった。今はもうやらない。」みたいな話をしてたから、サービス精神旺盛すぎて疲れてしまったのかも。今は、カレーを食べるだけの普通の(?)店になっていたのでありまして。
店を出て、そのたたずまいを味わう。到着直後に感じた威圧感とも浮遊感ともとれるような不思議な感覚は薄れていて、代わりに少しの達成感と夏の日差し。なんだかとてもじっとりと疲れている事に気がついたのは、帰り道の途中でありまして。
フィルム信者でもないし、どちらかっていうとデジタルっ子だと思ってたんだけど、この粒子感というかフィルムの風合い。良いですねー。
ムハーって感じでたまらないのであります。
ありがとうございます。今回はどうしてもフィルムで撮りたかったんですよ〜。この奥行きや陰影はデジタルでは出せないものですよね。
> 店の外にカレーの香りがしないのも納得でありまして。
なるほど! \(・∀・)/ ㌝㌦㌞㍎㌑
ひとつ世の中の謎が解決しました。
桜ん坊さん、コルドコーヤーギニ!w
それでもカレーだと認識できるというのが不思議ではあります。どこまでがカレーなんでしょう?そしてその先にあるものとは…。
もしかすると僕たちは嫌われてたのかもしれません(;´∀`)
僕が毒を吐き過ぎて嫌われてしまったのかもしれません。
あのときの歯切れの悪い形容詞がたい雰囲気が文章から伝わってまいりますw
monozuki さん
その節はありがとうございました。
んー、体調だとか気分だとか、何かタイミングが悪かったんだと思いますよ。
雰囲気、伝わりますよね?(笑)
ありがとうございます。
(コメントのツリーがおしまいみたいなので、こっちに新しく書きました。)