IPv6/IPoE + IPv4 over IPv6

わが家のインターネッツをIPv6にする話、先々週くらいにすべての準備が整って来月1日の開通を待っている状況でございます。ここに来るまでの非常に長くて複雑な話。

今を遡ること12年前の6月にBフレッツが開通して以来、契約等々一切変更なしでインターネッツに接続してきた。だがしかし、去年くらいからインターネッツが遅く感じる事がちょくちょくあって、NTTから借りてるひかり電話ルーター(HGW)がイカレポンチになったのかもしれないと思って、プロバイダーへの接続設定をWi-Fiルーター側に移してみたけど、改善する兆しは見られない。そんな時に「IPv6にすると爆速になる」という話を小耳に挟んでいろいろ調べてみたところ、その正体は「IPv6/IPoE + IPv4 over IPv6」だった。

どうして夜になるとインターネッツが遅くなるのか…今のインターネットは「IPv4/PPPoE」という方式で、接続するのにユーザー名とパスワードで承認が必要。そしてこの承認するところ(=NTTのひかり回線とプロバイダー各社との接続部分)が混雑しているのが遅い原因。例えるなら高速道路の料金所渋滞。だったら料金所のゲートを増やせばいいじゃんって話なんだけど、NTTの設備だから基本的にNTTがOKって言わないと話が進まないらしい。

そこで登場するのが「IPv4 over IPv6」。これは「次世代インターネット(IPv6)を使って今のインターネット(IPv4)のデータをやりとりする」仕組みで、そのために「IPv6/IPoE」という方式でインターネットに接続する。超大雑把な説明だけど、「IPoE」はそれぞれがIPアドレスで直接インターネットにつながるから、ユーザー名やパスワードの入力(設定)はいらない。つまり、料金所のゲートがない高速道路で、混雑を回避する作戦なわけですよ。

ひかり電話ユーザーです

ここまで理解できたところで、じゃあ実際にどうすればわが家のインターネッツをIPv6/IPoE + IPv4 over IPv6にできるのかというところなんだけども、まずは回線側をIPv6/IPoE対応にする。それにはNTTの「フレッツ・v6オプション」の申し込みが必要。ということは、回線の契約をBフレッツから「フレッツ 光ネクスト ギガファミリー」に変更しないとダメ。月額が500円上がってしまうから、2年契約にして700円/月引き。トータルで200円/月安くなった。ギガファミリーにするためにはNTT内の切り替え工事が必要でその工事代が2,000円。これが当初はNTT側の勘違いで、光コンセントがないとダメだから宅内工事に7,800円かかるという話だった。後から宅内工事不要の連絡が来たけど、そのせいで2月28日に切り替わる予定が3月2日になってしまった。この契約変更で、12年使ってきたHGWのRT-200KIがRT-500KIに入れ替わった。標準でWi-Fiが使えるぞ!

5GHzのアンテナは本体側らしいぞ

次はプロバイダー選びなんだけど、ここが実に複雑奇怪で説明が難しい。まずプロバイダーがIPv6/IPoE + IPv4 over IPv6に対応していることが前提。実はIPv4 over IPv6は仮想固定通信提供者(VNE)が提供しているサービスをプロバイダー経由で使う。VNEによってIPv4 over IPv6の方式が「DS-Lite」「MAP-E」「4rd/SAM」と違うから、プロバイダーがどのVNEを使っているのかを調べて、対応している機材(ルーター)をそろえなくてはいけない。

なんでだよー!

12年間お世話になってきたplalaは残念ながらIPv4 over IPv6には対応してないし、IPv6接続もPPPoE方式のみ。ということで、プロバイダーも変更することになった。当初はWebの説明もわかりやすいし、申し込みも簡単ですぐに開通するというIIJmioのFiberAccess/NFにするつもりだったから、DS-Liteに対応したバッファローのルーターを買って準備してたのに、申し込みの時に入力するNTTの顧客データベースが通らなくて挫折。ギガファミリーに変更したばっかりだからIIJmioまでその情報が来てないっぽい。

八つ墓村ルーター

どうせ時間がかかるならもうちょっとちゃんと選びましょうということで、各社検討した結果「@nifty光ライフ with フレッツ」に決定。IIJmioでは800円/月のIPoEオプションが無料。2年契約(違約金は3,000円)にすれば1,000円/月になってIIJmioの半額。現状のplalaよりも200円/月安くなる。IPv4 over IPv6の方式はMAP-Eだから、NTTのHGWがそのまま使える!(せっかく買ったバッファローのルーターはお友達に引き取っていただきました。) 問題は電話でしか申し込みができないこと。やっと電話がつながったと思ったら「光コラボ」を強力に勧められて軽くぶち切れ。光コラボは回線からプロバイダーまでセットで安いけど、(2018年10月16日:コメントによる指摘で修正) 回線とプロバイダーがセットの契約は安いけどいろいろと問題がある場合も。

画像を勝手に借りました

そしてまた@niftyの申し込みがややこしい。@niftyでIPv6/IPoE + IPv4 over IPv6を使うためには「v6プラス」の申し込みが必要。でも@niftyにはもうひとつ「IPv6接続オプション」というのがあって混乱する。NTTのHGWの有無によって違うみたいなんだけど、ぼくはv6プラスを申し込んだ。環境によってはIPv6接続オプションになるとかいう説明だった。で、肝心のIPv6/IPoEの開通は来月(4月)だってさー。ちなみに「v6プラス」はVNEの日本ネットワークイネーブラー(JPNE)の提供するIPv4 over IPv6の商品名。最近VNEになったBIGLOBEだと「v6オプション」だって。もう何が何だか…(笑)

最高で520Mbps!

@niftyからの書類を待ってる間に、RT-500KIのPPPのランプが緑からオレンジ色に変わった。説明書によるとマルチセッションの場合にオレンジなるとのこと。設定を確認してみるとplalaのIPv6/PPPoEが開通しておりました。回線速度を測ってみると平均して300Mbpsオーバー。混雑する時間帯でも100Mbpsを切ることはない状況。あれ? このままでもいいんじゃね?

まだPPPoE

そして申し込みから5日後に@niftyから書類が到着。早速ルーターの設定を変更してみたところ、速度はガタ落ち。混雑する時間帯は10Mbps以下になってしまうこともしばしば。設定をplalaにもどして4月1日の開通を待つしかないか。IPv6/IPoEはもう何も設定するところがなくて、自動的にルーターが切り替わるらしい。PPPのランプが消えたら合図。


  1. 「光コラボは回線からプロバイダーまでセットで安いけど、その分いろいろと問題がある」からリンクが張られてる先は auひかり ホーム に関する記事のようですが、このサービスはフレッツ光コラボではなくKDDIの独自設備によるサービスではないでしょうか。

    • 匿名さん、コメントありがとうございます。

      今の今までauひかりホームは光コラボの一種だと思っていましたが、改めて調べてみたら別のものだということがわかったので、ちょっとだけ記事を修正しました。

      このエントリーを書いた時にちょうどこのニュースが出たのと、iPhone 5の発売時にApple Careの加入等々でauと揉めに揉めた事があって、少しでもauの評判が落ちればと思ってリンクしました。

      ご指摘ありがとうございます。

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