木綿のハンカチーフなんて飾りです。

シュリンク付き見本盤
シュリンク付き見本盤

太田裕美の『I do, You do あなたらしく、わたしらしく』を今年の3月あたりにレコードで入手してダラダラと聴いております。約3年前にレコードフェアで太田裕美の『こけてぃっしゅ』を入手したときにインターネッツで調べて、彼女はアイドル歌手ではなくてシンガーソングライターだということを初めて知ったんだけど、『こけてぃっしゅ』には彼女の作詞も作曲もなくて、ぼくの中では『木綿のハンカチーフ』を歌うアイドル歌手のイメージのままだった。

ところが、例によってYouTubeのおすすめ経由で彼女の『満月の夜 君んちへ行ったよ』に遭遇してその認識を改めざるを得なくなったのであります。そこでまたいろいろと調べてみると、彼女はアイドル路線からの脱却を果たしつつも、1982年に歌手活動を休止して、8ヶ月間単身でニューヨークに留学。戻ってきてからは、制作陣を一新してテクノポップ方面に進出。『I do, You do あなたらしく、わたしらしく』は帰国後の2作目で、1983年のリリースだということがわかった。

オオカミの歌だねぇ
オオカミの歌だねぇ

オープニングを飾る『満月の夜 君んちへ行ったよ』は太田裕美の作曲で、このシンプルでシュールな歌詞は山本みき子…後の「銀色夏生」によるもの。山本みき子が銀色夏生だったとは、世の中知らないことだらけだわー。中学のころだったか高校のころだったか、銀色夏生の詩集を持ってる人がいたなぁ(遠い目) レコードの帯には「やりたい事やったら、こんなに気持ち良い…。少年ぽさを残した女●太田裕美ニューアルバム」というキャッチフレーズ。なるほど、ボーイッシュな雰囲気もあるかもね。この突き抜け感というのか開き直り感が実に気持ちいい。

アルバム全10曲中半分が彼女の作曲。山本みき子は8曲を作詞している。A面3曲目の『お墓通りあたり』はテクノポップなんだけど木魚が入っていて、こういうある種の童謡っぽさがアルバム全体に漂っている。それはメロディーももちろんなんだけど、ビブラートなしの歌い方だとかによる部分も大きいのかもしれない。5/4拍子の曲もあったりしつつ、B面の後半はしっとりした曲が並んでアルバムは幕を閉じる。

裏ジャケもステキ
裏ジャケもステキ

この後、1984年に帰国以降の作品のプロデューサーである福岡智彦と結婚する。ここで、「ふたりの間に音楽を超えたつながりがあって、かつそれが鮮度を保っているときに生み出される作品には神がかったものが多い説」を提唱したい(笑) マイラバの1stとか、小室哲哉と華原朋美とか。荒井由実も含めてもいいかもしれない。『I do, You do あなたらしく、わたしらしく』はCD化されているものの、現在は絶版状態。この付近をまとめて再発売してくれないかなー。