ノンストップ3時間。

事後キャプチャ

このブログで何度となく登場している伊那市のクロネコというお店で、『出張円盤・レコード寄席「日本とタンゴ編」』が開催されるという情報をお友達経由で小耳にはさみまして(いつもありがとうございます)。クロネコは結構前に休業→閉店してしまっていて、これが建物に入れる最後のチャンスかもしれないと思って参戦してまいりました。トークをするのは東京の高円寺で「円盤」というお店をやっている田口さんという方。主催は赤石商店という伊那にあるお店。今までも何回かやっていて、クロネコでやるのは今回が初めてとのこと。

あら、やってるのかしら?

平日の夜に開催ってことで、仕事を若干早く切り上げて高速をぶっ飛ばす。超が付くセッカチだから開場時間よりも前に到着してみると、なんとクロネコに明かりが灯っているではありませんか。通りすがりのみなさんも「あれ?やってる?」なんて覗き込んでおりました(笑)

神棚はピカピカ

そうこうしてるうちに開場時間。久しぶりに入った店内はレコード寄席のステージ(?)と観客席のイスが並べられている以外は特に変わった様子はなく…でもやっぱ劣化が進んでいるなーという感じが少し。店内のトイレは使えない可能性が高いと思って水物を控えてきたところ、外の市営駐車場のトイレを使ってくれとのことでビンゴ。

行商スタイル

19時を少し過ぎたところで開演。まずはレコードというメディアは音楽を売るためものよりも、販促グッズやノベルティーとしての存在の方が多かったという話から。例えば、1960年近辺からCDに代わられる1988年辺りまで、佐渡ヶ島観光ツアーでバスに乗ると全員にソノシートが配られた話。これが膨大な量なんだって。田口さんはこのソノシートを集めて年代順に並べて、その変遷等々を本にまとめて売っている人。そういった感じで、他にも学校の卒業記念レコードだとか、個人制作の歌謡曲だとかを大量に集めて分類・整理したところで見えてくるものについての分析を本にして面白おかしく話す。いやー、極めるっていうのはこういうことを言うんだなぁ。

写真が少なくて…

そしてタイトルにもなっている「日本とタンゴ」についての話。タンゴの中でもアルゼンチンタンゴと、それを軸にしたアルゼンチンや日本人のドラマ(実話)。このレコード寄席はこれから他でもやるだろうからネタバレはしないようにしておこうかな。話の中で出てくる場面で実際にその音楽をレコードで聴きつつ進んでいくというスタイル。タンゴにさほど興味がなかった田口さんが、偶然タンゴの魅力に気づいてここまでの物語を紡ぐ。才能というのかセンスというのか執念というのか集中力というのか、本物を見たような気がするわー。

夜のクロネコ

最後に重大発表が…田口さんがクロネコを借りて復活させるというではありませんか! 田口さん自身も伊那に移住するんだって。まだまだ計画~交渉中の段階で、最終的にどうなるのかはわからないけど、屋号と建物を引き継いでカフェ&イベントスペースみたいな感じになるのかな? そもそもこのクロネコは伊那に飛行場があった関係で進駐軍がいて、そのためのダンスホールとして作られたという話。ある意味そのルーツに戻るというかね。

本日の収穫

以上でレコード寄席終了。トイレ休憩なしで一気に3時間。正直あっという間という感じでもなかったけど、久しぶりに濃密で刺激的な時間でありました。少しでもクロネコ復活の足しになれば…佐渡ヶ島のソノシートの話の本とムードコーラスの怪しげなCDを購入せしめて再び高速をぶっ飛ばすのでありました。あー、お腹すいた。

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