以前に電源ケーブルについて、そんなもので音が変わるのは欠陥品だっていう話を書いた。その他も、原理的に変わる可能性があるとしても、人間には感知できないレベルの話ではないか、と。お前はCDの音が階段状にギザギザに聞こえるのか?っていうね(笑)
理系か文系か
その後も相変わらず「ケーブルで音は変わらない」と喚き散らしていたぼくを不憫に思ったお友達が弩級の電源ケーブルを貸してくれた。ありがとうございます! オヤイデ電気製なのかなー。ケーブルの太さやプラグもすごい迫力で、原理原則も大事だけどロマンもオーディオの大きな要素だという感情を取り戻した。
健康診断が終わった週末にようやく聴き比べに取りかかった。テクニクスのSU-G700を標準の電源ケーブルから差し替える。ケーブル自体はそれほど硬くはないものの、太さで思うように曲げられず、取り回しに少々苦労するというか、背面のスペースをもっと取らないと厳しい感じ。持ち主はマークレビンソンの人だから、やはりブルジョワのケーブルなのか。
逆プラシーボ
肝心の音が変わるかどうかは、瞬時に切り替えができないからなかなか判断が難しい。ということは変わっていたとしてもそんなに大きな違いではないってことかもしれない。SU-G700はスイッチング電源だから影響が出にくいのかと思って、Simply Italy(真空管アンプ)も試してみたけど、こっちでもわかるような変化は感じられなかった。
波形だなんだを計測して交換前後に違いがあるかを比べれば一目瞭然なんだろうけど、あいにくそういう装置を持ち合わせていないのと、まぁまぁそこまでやる必要もないんじゃないかな、というスタンス。音が変わらないってのも「逆プラシーボ」かもしれないしね。真空管を差し替えた時も具体的な違いがわかるまで数ヶ月かかったから、そういうスパンでやらないとダメかもわからんね。以下、聴き比べに使った新しめの録音のハイレゾ等々のメモ。(Apple MusicをiPadのUSBでSU-G700へ)
しばっちゃん
まずは柴田聡子の新作『Your Favorite Things』から。彼女の音楽はそこそこ前から聴いていたのに、前作辺りでなんだかめんどくさく感じられて脱落。今回は洗練に洗練を極めた囁き系で少々寂しくもあり…歌、うまくなったよね。全体を醸す雰囲気というのか流れていく感じがとても心地よいアルバム。配信は24bit/48kHzでダウンロード販売は24bit/96kHzというのも非常にいい。音のスケール感やスキマに現代のハイレゾを感じるね。買うかどうしようか考え中。
っあーベイベーエッ!
次はー、安全地帯の40周年記念ライブのアルバムであるところの『安全地帯 40th ANNIVERSARY CONCERT “Just Keep Going!” Tokyo Garden Theater』。配信もダウンロードも24bit/48kHz。ドラムの音がもっと「オン」だといいかなーと思いつつも、ステージ全体をちょっと離れたところから見上げているような雰囲気がリアル。『プルシアンブルーの肖像』の刻みのギターの低音とか『じれったい』の盛り上がりとか、ハイレゾ感が濃い。
ボリューミー
当山ひとみのオールタイム・ベスト『Pretty Penny HITOMI TOHYAMA THE BEST & RARE』は今月リリースされたばかり。彼女は以前に違うベスト盤を買おうかなぁと思っていたところだからタイムリー。配信もダウンロードも24bit/96kHzなんだけど、今回これはOTOTOYでダウンロード版を購入せしめました。一部「ORT」っていうアップサンプリング系のマスタリングも含みつつ、全体的には違和感なく。ハイレゾのマスタリング技術が上がったのか、前に買った中森明菜やWINKのハイレゾよりも数段いい(ような気がする)。
リバーサイド
おまけで『Know What I Mean? (Original Jazz Classics Series / Remastered 2024)』を。『ワルツ・フォー・デビー』のもうひとつの名演が収録された、1961年録音の有名盤。配信は24bit/48kHzでダウンロード版は24bit/192kHz。192もいらんわ。これは長らくCDで聴いてきたけども、今回のハイレゾリマスターは線が細い感じがするかなー。それでもサックスの音のヒダヒダやシンバルの余韻と背景の静けさはハイレゾか。レコードやCDという物理メディアにこだわっていたころの閉塞感から開放されて、今年は個人的にハイレゾ元年かもしれない。