レコード方面が一段落して、今度はデジタル方面をもうちょっとテコ入れしたいなー、と。現状でCDプレーヤー・ネットワークプレーヤー・D/Aコンバーター(DAC)の3つに分かれているものをひとつにできたら、空きスペースにDATを復活できると企んで、インターネッチョを徘徊しておりました。
そして小耳にはさんだのが、TEACの「CD-P650-R」というCDプレーヤーが飛びぬけて音が良いという話。DACのチップにBurrBrown製「PCM1791A」を搭載していることがポイントで、このチップはアナログ変換後の出力が電圧だから、その後の電流を電圧に変換する回路(=ここが音を悪くしているという説)が不要で、非常に”速い音”が出るというロマンが語られている。廉価機ゆえのシンプルさが良い方向に出たということかな。
早速そのCD-P650-Rを探してみたら、どうやら最近生産終了になったみたいで、中古でも3万円前後くらいになっているではありませんか。前モデルのCD-P650は2010年発売で、最終的には1万円だったとか。その後2015年に再生停止から30分後にサスペンドになる機能を追加したCD-P650-Rが登場。お値段は実売2万円程度。んー、中古に3万円は出せねぇなぁ。
などとやっていたところ、本家TEACの直販サイトで「未使用品、箱に難あり、訳あり品。メーカー保証あり。」が、税込み・送料込みで26,400円で売っているではありませんか! 光よりも速くオーダーして到着を待つこと2日、やってまいりました。
箱は新品同様でこれといって問題はない? 本体も特に訳ありってことも…あー、フロントパネル上面に細かい傷が2か所あるからこれかな? そもそもアウトレットなんだから全然問題なし。むしろちょっと前はもう5,000円安かったという情報の方がダメージ大きいわ(笑)
早速セットしてCDを再生してみたところ…んー、イマイチよくわからない?…と思ってたらキタ――(゚∀゚)――!! ものすごいクリアな音! その秘密は音がスパッと出てスパッと止まるところ? レコードの音が気持ちいいのと同じ原理? なるほど、これが”速い音”…CDでもこんなにクッキリ・ハッキリした低音が出るのか…これはちょっと衝撃というか事件だわ。どのくらいの衝撃かというと、レコードを全く聴かなくなった上に、CDを棚の端から全部聴き直すくらい。
今まで使ってきたATOLLのDAC100SE(DACチップはPCM1796)と聴き比べてみると、DAC100SEの方がボーカルの艶だとかギターの弦の響きの雰囲気がいい。音の角が丸いのと余韻があるというのかなー、そのせいで全体的に潤いと厚みがある感じがする。半面、最近聴いていた80年代の邦楽なんかはボーカルにエコーがかかっていて、そのエコーにエコーがかかったようなモワッとした感じになってしまって、”速い音”を知ってしまった耳にはどうにもこうにも不自然に聴こえてしまう。低域もモコモコしてて、モノラルや古い音源は楽しく聴けない。
というわけで、今までは低音がドカンと鳴っていればOKみたいなオーディオ人生だったけども、今回の件でオーディオ的自我に目覚めてしまった(笑) オールインワンのデジタルプレーヤー方面は保留だね。回路や基盤モリモリのオーディオは音が遅いのかもしれないし。