レコード再生というのは、なにかひとつ解決するとまた次の気になるところが出てくるものなのか? RCAケーブルで最後の仕上げのつもりでいたのに針圧がどうしても気になって、週末に酔っ払った勢いで、オルトフォンのDS-3という針圧計をオーダーしてしまった。針圧計は欲しいけど、今使ってるカートリッジよりも高いし、そもそも針圧なんて自分がいいと思うところで聴けばいいんだし、計測することでその数値にとらわれるような事になってしまうんじゃないかと思って、優先度はかなり低いところにあった。
そんなこんなであっという間に到着した針圧計で、早速現状の針圧を測ってみると…カートリッジ規定の針圧の上限の1.8gを超えてる! 自分では1.6gに合わせていたつもりなのになんということでしょう。多分アームの水平出しがうまくいってなかったんだろうな。それでも再生される音に違和感を感じたりはしてないんだから、そんなにシビアになることもないのかもしれないと思ったり。
せっかく高い針圧計を入手したんだから、ここはやっぱり標準的な針圧での音を確かめねばなるまい。1.4gに調整したいけど、0.01gの単位は針を乗せる場所によって変わるし、そもそもこの秤は敏感すぎて、プラッターの上で表示を0.00gにリセットするのにコツがいる。何回か測ってこのくらいかなーというところでレコードを再生してみると、スペーサーの導入で薄らいだ高域の繊細感がちょっと戻ってきたような気がするけど気のせいかもしれない(笑)
ここでやっと針圧計の取扱説明書を読んでみた。g(グラム)以外の単位も測れるし、なにやら使わないボタンとかもある? これはもしやと思ってインターネッツで調べてみると、「精密計量秤0.01g/300g PCS電子計量器はかりスケール」というAmazonで1,500円くらいで売っているのと瓜ふたつ。なんということでしょう! これにレコードの面の高さで測れるように、ステンレスの板を貼り付けただけでお値段約6倍! いやー、やられた。こんな板なんてすぐに作れるのに! 差額でどれだけの中古レコードを買うことができたかと思うと悔しくてさぁ。これから先ずっと、針圧を測るたびにこのことが頭をよぎるわけで…心に深い傷を負ってしまった(笑) やっぱり酔っ払って買い物しちゃダメだな。