セカンドオピニオン
VM750SH導入以来、実に4年ぶりにカートリッジ(レコード針)を購入いたしました。えーと、SUMIKOのPearlという実売1万4千円ちょっとのMMカートリッジでございます。スタイラス(針)は接合楕円。オーディオテクニカのVMN40MLを曲げてしまってからは実質的にDENONのDL-103しかない状況で、このままでもいいかなーと思ったんだけど、内周ギリギリまであるレコードだと歪が気になることがあったり、もうちょっと高域の伸びが欲しいと感じることがあったりで、やっぱりもうひとつ何かしらのカートリッジを持っておきたいなぁ、と。
毎日贅沢三昧でも
当初はオーディオテクニカの交換針を買ってVM750SHを復活するか、あるいはオルトフォンの2M Bronz辺りを導入するつもりでいろいろと情報収集してみたものの、これだとそこそこお金を払っても原状復帰でしかないわけで、そういう現代的なハイファイ再生とは違う方向性は無いものかともがいていたら、2016年に書かれた「普通のレコード針」という話に遭遇した。
「その辺の店で定食や立ち食いソバを食べるような日常性」という例えで、シェルターのModel 201というカートリッジが紹介されている。営業トークだとしてもこの手の物語に弱いんだよねー(笑) DL-103の実験で買った同じくシェルターのヘッドシェルが使わないままあることを思い出して、ビックカメラにあった最後の1個を注文したのでありました。
販売元と製造元
が、直後に「Model 201はエクセル製」という話を聞いてなんとなくキャンセルしてしまったのが運の尽き。調べてみたらエクセルサウンドってOEMの老舗じゃん? ここで手に入れておかないと次は無いんじゃね?って気がついた時には売り切れていた。知らないってことは罪ですなぁ。レコードブームと言われて久しいけれど、ふたを開けてみると「普通のやつ」はことごとく販売終了やずっと品切れのままでアレ。
同じだけど違うもの?
そんなこんなで、Model 201と見た目が全く同じPearlを改めて購入した次第。スペックを比べるとModel 201の方が0.2g重くて出力が0.5mV大きい。スタイラスは両方とも接合楕円だけど、微妙にサイズが違う。作ってるところは同じだろうから誤差なのか、それとも仕向け先によって仕様を変えているのか。謎が謎を呼びつつ、久しぶりの組み立ては老眼がアレで少々苦戦した(笑) シェルターの「Model 1011L」におそらくMG10に付いてきたアルミネジで固定して、オレ様史上最軽量の15.5gで完成。
素性が良い
DL-103+テクニクス純正ヘッドシェルを外してPearl+1011Lをセット。アームの高さは変更なしでバッチリ水平が出た。ここ数年はオーディオテクニカのVMシリーズとDL-103しか使ってこなかったから、何よりも見た目が新鮮で良い。
針圧を指定の2gに合わせて、この前買った飯島真理の12インチシングルを再生してみると…低音が出すぎじゃないかってくらい出る。代わりに高域はおとなしいというか、もうちょっとヌケててくれるといいなー…と思ったらフォノイコライザー(VIDA Prima)の設定がMCになっていた。MMに設定し直して聴いてみると、DL-103ほどの繊細な雰囲気は無いけれど、MMカートリッジらしい音の勢いと太さがありつつ高域はそこそこ華やかで、全体的にはマイルドなのに解像度もそれなりにあるという絶妙な鳴り方。低域がしっかりしてるから割となんでもいけるのではないかと思う。なるほどー、これが普通なのかー。レコード再生の奥深さにようやく気がついたかも?(笑)
付録
SUMIKO Pearlの(おそらく)本国のサイトによると、重さは「6.0g」で出力は「4mV」、スタイラスは「0.3 x 0.7mil Elliptical」ということで、やっぱりシェルターのModel 201と同等品だね。負荷容量(静電容量)は「100pF – 200pF」。
Mass & Dimension | 6.0g, 11.6 x 20.26 x 27.24mm (WxHxD) |
Stylus | 0.3 x 0.7mil Elliptical |
Cantilever | Aluminum Pipe |
Coils | High-Purity Copper |
Internal Impedance | 1,130Ω |
Load Impedance | 47kΩ |
Frequency Response | 12Hz – 30kHz |
Output | 4mV @ 1kHz |
Channel Separation | 30dB @ 1kHz |
Channel Balance | 0.5dB @ 1kHz |
Compliance | 12×10-6cm/dyn @ 100Hz |
Capacitance | 100pF – 200pF |
Vertical Tracking Angle | 25° |
Tracking Force Range | 1.5g – 2.0g |
Recommended Tracking Force | 2.0g |
Replacement Stylus Unit | RS Pearl |
それからカートリッジの投影図を貼っておく。これはYouTubeにあったロシア方面の人のレビュー動画から拝借。こちらからは以上です。