現実逃避も兼ねて、JICOの「N44-7 IMP NUDE」をひたすら聴き込んでいる毎日であります。しっかりと芯のあるパワフルな音が気に入って松田聖子の『Seiko Train』を聴いていたところ、「サ行」が音割れしてしまう事案に遭遇いたしました。その他を確認してみると、カルロス・トシキも同じように音割れするし、門あさ美に至っては「サ行」に加えて「タ行(チとツ)」もダメ。JICOはSHUREのM44シリーズを複製するのにこの「サ行の荒れ」まで再現しちゃってるのかよ!
N44-7の針圧は1.5~3.0gとのことで、最初はその中央値の2.25gに設定していた。これだとなんとなく閉塞感がある音に聴こえるから1.8gにしたのが原因かもしれないと思って、最大の3.0gにして門あさ美を聴き直してみたけど完全に解消しないし、何よりも音のヌケが悪くてアレ。
んー、これはどうしたものか…やっぱオーディオテクニカのVMN30ENを買うべきか悶々としつつ実験を繰り返していたら、レコード外周のほうが「サ行の荒れ」が大きい傾向があることを発見した。もしかしてトラッキングエラー? ということはオーバーハングの設定に問題あり? SL-1200GRに付属のオーバーハングゲージで確認してみたところ、基準値よりも若干短かかった。
でもなー、オーバーハングってそんなにシビアにならなくてもなー…半信半疑でカートリッジの取り付け位置をいちばん端のネジ穴に移動する。今度は基準値よりもちょっと長くなった(ヘッドシェルはMG10)。これで門あさ美を聴いてみたら、「サ行の荒れ」が大幅に改善されてびっくり仰天。この状況で針圧を上げても完全には治まらないことを確認して、気にならないといえばウソだけど、まぁまぁこのくらいならば…というところで針圧は2.0gに落ち着いている。
レコードを聴き始めて数年が経つけれど、ここまでいろいろ調整して聴き比べたのは初めて。新しいカートリッジや針を買って気に入らないから”はい次”っていうんじゃなくて、あきらめずに付き合うのもレコードの面白さかも。どうしてもダメだったらしばらく離れて熟成させるのもいいかもね(笑) 以上を踏まえて「牛殺」を聴き直さないといけないなー。
こんばんは~お久しぶりです。レコード針のお話、読ませて頂きました。
自分は最近昔を思い出しカセットテープにレコード音を録音したく、変な趣味に走ってます(笑)主にデノンDL-103使ってましたが何故か音が退屈で、色んな針で試したくなり安いもので試しました。凄く良かったのが意外かもしれませんがテクニカのATN3600L。侮れませんよ~重さ3.8gとアンチは4。歪もサ行の違和感ありません。45回転のEP盤のみですが良い音です。LP盤になるとテクニカのVM95MLが良いです。ガッツが欠けてしまいますが最初から内周まで歪なく安定した音で聴けます。面白さない音ですが違和感なく聴けるのは素直で最高と思います。JICOの針、全然興味なかったのですが、読みながら次買ってみようかなぁって考えてます(笑)
康晴さん、コメントありがとうございます。
一時はレコードへの情熱を完全に失っていましたが、どういうわけか戻ってきました(笑) 界隈ではMCでラインコンタクト針が目指すところみたいな風潮がありますが、案外安いものの方が音楽のノリに関しては良かったりしますよね。ぼくはオーディオテクニカは結構信頼していて、何を買っても失敗しないイメージです。JICOはWebのわかりにくさや文言に怪しい気配を感じていますが、ラインナップが個性的で面白いと思います。品質はいいですし、SHUREのM44系の針は全部使えるのでひとつは持っていてもいいかもしれません。