排他モード。

持ち腐れ

ここのところ急に寒くなったから久しぶりに真空管のアンプにチェンジ。2016年に買ったユニゾンリサーチのSimply Italyは、数度の修理を経て7年目の秋でございます。ビンテージの真空管だなんだとやっておりましたが、聴き続けている内にヌケが悪くて微妙に曇った音に我慢できなくなって、純正品と同等のTUNG-SOLの現行管に戻して事なきを得た。ビンテージは物語やロマンに浸れる人じゃないと宝の持ち腐れになるという例ですね、わかります(笑)

現行品の方がいいぞ

負荷容量

見た目は好きなんだけど

気力がある内に、この前ボツ扱いにしたJICOのカートリッジ「J50」の負荷容量を上げた場合の音質をチェックする。DL-103用に繋いだトランスを外して、フォノイコ(ラックスマンのE-250)で負荷容量の設定を最大の320pFにセット。針圧は2gで改めて聴き直してみると、高域が出ていない感じは若干改善された(ような気がする)が、全体的な傾向は変わらず「サ行の荒れ」もそのままでやっぱりボツかなー。

神の啓示

レコードに疲れ果て、AppleMusicで何か新しいものを…ここのところはiPadからUSBでSU-G700(アンプ)に入れていたからSimply Italyでは聴けないと思っていた時期がぼくにもありました。それでUSBをヘッドホンジャックに変換するコネクターを買ってボツにしたりしてたんですが、先日風呂に入っている時に「AirPlayを使いなさい」という神のお告げがあって膝をポンと叩いた。叩いてないけど。なんでこれに気がつかなかったのか。

最高音質を選ぶと警告が出る

iPadのMusicアプリで出力先をAirPlayのNA6006(ネットワークプレーヤー)に切り替えるだけ。これならケーブルレスだしAppleMusic以外の音は送信されないということは、内部ミキサーを通らない「排他モード」(=データをいじらない)という大きなメリットがある。デメリットはハイレゾが通らないところ。AppleMusicの音質設定は、(1)高音質[AAC 256kbps]、(2)ロスレス[ALAC 最大24bit/48kHz]、(3)ハイレゾロスレス[ALAC 最大24bit/192kHz]の3種類があって、現行のAirPlay2は(2)までは再生できるみたいだから、これですべて解決と思っていた時期がぼくにもありました。

実際問題

24bitで48kHzなら十分でしょうってことでゴキゲンで聴いていたんだけども、CDと同じ16bit/44.1kHzのもの(大半がここ)を聴いていてもなんか楽しくない。真空管アンプの限界? いやいやCDやレコードではイケてるわけで、これはやはりAirPlayが怪しいのではないかと思って調べてみたら、AirPlay2でも送り出し側でAACに変換しているものがほとんどだという事を知る。

こいつにUSB入力があれば…

NA6006はAirPlayだとサンプリング周波数等々が一切表示されないから、SU-G700にデジタル(オプティカル)で繋いでその辺りがどうなっているのかを確認してみたところ…(2)だろうが(3)だろうが44.1kHzと表示される。といういうことは、現状のiPad+iPadOS 17ではAirPlayで出力すると、CDと同じ16bit/44.1kHzも含めて全てがAAC 256kbpsに変換されていると思われる。AACはMP3と同じでロスレスじゃないから音質は落ちる。排他モードどころではなかった(笑)

AirPlayではAACになってしまっている模様

次にiPadからUSBでSU-G700に接続してみるテスト。こっちでは音源に応じてサンプリング周波数が192kHzまで切り替わるし、聴いた感じがAirPlayより明らかに高音質。おもしろいのは、この状態でiPadのカメラアプリを起動すると一瞬音が切れて44.1kHzに切り替わるところ。カメラアプリを閉じるとまた一瞬音が切れて元のサンプリング周波数に戻る。もしかして96kHzとか192kHzの時に通知が来たら44.1kHzに切り替わるんじゃないかと試してみたけど切り替わらなかった。もし切り替わればハイレゾ再生中は排他モードみたいな感じになってるかもしれないと思ったのに残念だわ。そんなこんなで、ぼくの環境ではAppleMusicを聴くにはSU-G700が必須という結論になってしまった。とは言え、久しぶりにSimply Italyをセットしたからしばらくはこのままで。

この小さいスイッチで音色が変わる

ここのところは「軽くて速い低音」みたいなものを良しとしてきたけれども、Simply Italyのセンターにあるスイッチを手前に倒してNFB「小」にした時のゆったり開放的な音もまたいいもんだなぁと思いましてね。オーディオを復活した時に買ったATOLLのアンプもこの系統の明るい音色だった(遠い目)。

MICO

物理メディアはわかりやすくて良い

そんなゆったりした音にぴったりなのが、弘田三枝子の『TOUCH OF BREEZE』でございます。大野雄二プロデュースの1983年のアルバムで、これは奥さまがどこかで見つけてきた2013年のCD。弘田三枝子は「MICO(ミコ)の愛称で”ポップスの女王”と呼ばれた女性シンガー」とのことなんだけど、ぼくのライブラリーにあるのは『せれくしょん ~ジャズ・ヒッツ』という2枚組のCDだけ。知っているようで実はあんまり知らないというアレ。

ジャズっぽい『パーティーへの招待』から『パープルホライズン』への流れとか、ボーナストラックの『O-KAY』がいい感じと思いつつ『愛のNOKORIGA』がやっぱりいちばんかなー。ギャランティーク和恵バージョンもオシャンティーでオヌヌメです。

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