ザ・フュージョン

ジャケットにも古さを感じない

久しぶりにオークションで買ったレコードは、増尾好秋の『グッド・モーニング』でございます。1979年発売。例によってYouTubeでちょろっと聴いて、レコードで入手できるか調べてみたらオークションに500円前後(+送料500円程度)で結構出ているではありませんか。この値段でこれだけあるってことは売れたわけで、もしかして有名な人?

こういうのは当時ならでは

ライナーには増尾からマネージャーに宛てた手紙が載せられていて、ギターを持って1週間ぶらり旅して新しい曲を作ったこと、弟の参加が要になっていることが書かれている。早速レコードを再生してみると、音質も含めて40年前のものとは思えない鮮度の良さ。フュージョンと聞いて思い浮かべるものそのものというのか、わかりやすいのがとてもいい。ぼくが最近よく聴く、いわゆるフュージョンはT-SQUAREだったりカシオペアだったりするんだけど、ああいう日本人らしい感じ(?)が一切ない。

魅惑のショート・ヴォイス「ジョーザン」は中段左

参加ミュージシャンが弟以外はみんな外国人だっていうのもそういう雰囲気に関係するんだろうか? 女性ボーカルのクレジットがあるからどこに入っているのか注意して聴いてみたけどわからなくて、カートリッジをVM750SHからDL-103に交換したら聴こえてきた。なるほど、そこですか。オークションの場合、盤質が良いという説明でも実際にはひどいものが送られてきたりすることがあるんだけど、今回はクリーニング済みで内袋も外袋も新品に交換されていて”アタリ”だった。

増尾好秋は1946年生まれで2020年の今は73~74歳。父がジャスピアニストで弟もギタリスト(本作に参加)。中学3年の終わりに独学でギターを始めて、早稲田大学のモダンジャズ研究会に入る(同級にタモリ)。1967年、大学3年の時に渡辺貞夫に見いだされてプロとしてスタート。1971年にニューヨークに行ったまま今でもアメリカ住まい。以降有名なジャズミュージシャンとの共演や、1973年にソニー・ロリンズのバンドに加入したりってことで、バリバリのすごい人だった。そりゃあアメリカぶらり旅とか余裕だわ。タモリはいろんなところにいるんだねぇ。

後ろが弟の元章氏

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