マットな音。

測定データ付き
なんだかもうずっと何かに追われているようで、でもただただ毎日が過ぎていくだけの状況にドロップキック。そういう毎日から逃れるために、PCを入れ替えたり、廃牛に会いに行ったりしたんだけども、ついに追いつかれてしまったというか…ちょっと体調を崩したのをきかっけに、5年ぶりにメニエールを発症して病院送りの刑に処されておりました。そのメニエール発症の前日に到着したのが、DENONのDL-103というカートリッジ(レコード針)だったりする(笑) 去年の暮にパイオニアのPLX-1000を導入して半年。さらにその半分は借り物のカートリッジで聴いてきたけれど、このままずっと借りておくわけにもいかないし、今はもう手に入らないものだから取り扱いにも気を遣う。

重量級カートリッジ?
じゃあ、アナログレコードの周辺事情は少々理解できたし、そろそろちゃんとしたカートリッジで聴こうじゃないか、と。とは言っても、そこそこ現実的なお値段でってことになると、DENONのDL-103か、オーディオテクニカのAT-F7くらいしか選択肢が残されていないという現実。ここでみんなが口をそろえて言う「定番」を体験しておかないと、このまま聴かずじまいになってしまうかもしれないし、「さ行」の再生が案外良かったSHUREのM91GDと同じ丸針だし、なんといってもDENONとNHKが共同で開発した放送局用のカートリッジというお墨付きで精神的安定性も高いし、ってことでDL-103をオーダー。その昔、カセットテープに録った「Fリク」こと、「NHK FMリクエストアワー」のあの音がするはず。

ちょっと重すぎる
MG10から借り物のDL-303を外してDL-103に付け替える。実は昨日までMG10に取り付け用ネジが付属していることを知らなくて、DL-103に付いてきた長いネジで固定するために、いつぞやのカーボンスペーサーを引っ張り出してきてきた。フル装備状態のこの物々しい一式の重量は20.82g。20g超えとなるとアームのお尻にサブウェイトを取り付けないとバランスがとれない。でも、再生時にカートリッジの前後方向の水平を取るためにはこのスペーサーが必要。ここは今後の課題というか、何にしてももうちょっと軽くしたいね。→ <追記> ヘッドシェルを交換。

なんかカッコ悪い
それで、肝心の音はどうなのかというと、一言で言うと「マットな音」。今までのDL-303が光沢液晶なら、DL-103は非光沢液晶という感じ。音の重心がグッと下がって低域も十分。腰の座った音がする。ボーカルや金管楽器、あるいはスネアドラムやバスドラムなんかは中身がきっちり詰まっているような質感で鳴る。反面、弦楽器やシンバル・ハイハットなんかのツヤというのか、キラキラ感に少々物足りなさを感じて、別のカートリッジを選ぶっていうのもわかる気がするなー。もうひとつの収穫はそのトレース性能。放送局用だけあって安定性は抜群。DL-303では針飛びしてしまう反ったレコードも問題なく再生できてしまった。なんということでしょう! そんなわけで総合的に非常に満足し太郎。もっと早く買っておくべきだったわー。あとはメニエールが完治して耳がちゃんと聞こえるようになるのを待つだけ。


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