お蔵入り
JICOのJ50用に「普通の針」を買って1ヶ月。最初の「牛殺」の時からカートリッジの前後方向の水平がうまく取れていなかったことがわかって調整した結果、低域が若干スッキリして高域が埋もれがちな傾向がほんのちょっとだけ回復した。が、気分転換にSUMIKOのPearlにしたらこれがすごくバランスのいい音に聞こえて、図らずもJ50に対する結論が出た。この「高域が出ない」以外にも「サ行の荒れ」とアンプの「Signal Overflow 表示」(=入力レベルオーバー)もあって完全に心が離れてしまった。出力を大きくするためにコイルをたくさん巻いたことでインダクタンスが増加→高域が減衰するという教科書通りのカートリッジなのかも? 今後も出力が大きすぎるカートリッジは避けていきたい所存であります。
この先の候補
で、この後をどうするか。ナガオカのカートリッジを試してなかったことに気がついて、海外で評判がいいという「MP-110」を検討してみる。接合楕円針のMM系カートリッジだからSUMIKOのPearlと同じだし、何よりも「海外で評判がいい」っていうのがぼくにとってはあまりいいイメージではないから(今回は)やめた。海外=ヨーロッパやメリケンのものって大味なんだよね。ナガオカは日本の老舗メーカーだけど、あちらでウケるってことはまぁまぁそういうことだろうな、と。すごい偏見(笑) 買うならもうちょっと上のやつにしないとね。
シルバーのやつ
オーディオテクニカの交換針を買ってVM700を復活させるのが無難なのは間違いないんだけど、あんまり設定を追い込んだことがないDENONのDL-103にもう1回スポットライトを当ててみてはどうかと思い立ってヘッドシェルを注文した。
SL-1200シリーズはアームをいちばん低くしてもDL-103みたいな背の低いカートリッジでは水平が出せないという問題があって、それを解決するためにはターンテーブルマットを厚いものにして、カートリッジ取り付け面が低いヘッドシェルを使う必要がある。そういう事情でヘッドシェルはテクニクス純正品を使ってきた。純正品は上の面が微妙に湾曲してるから、水準器を載せてもイマイチ水平が決まらない問題がある。
以上を踏まえて選んだのがオーディオテクニカの「AT-HS6」。現状でいちばん新しいやつで、取り付け面の高さがアームパイプの中心から2.5mmというのが決め手。それとテクニクス純正のヘッドシェルは超軽量だからもう少し重くしてみたかった。お値段が少々お高めなこと以外は剛性もあっていいんじゃないでしょうか…と思ったんだけどなぁ。
DL-103を移植するのに非常に苦戦しまして…ナットを使うタイプは滑ってしまってどうしても締まらないんだよなー。みんなどうやってるんだろう? 1回あきらめて翌日ピンセットをカニ目レンチみたいにして組み立てに成功した。トータルの重さは18.72gで純正ヘッドシェルとの組み合わせよりも約1.8g重くなった。
どうなんです?
プレーヤーにセットして各方面の水平を合わせるところで問題が発覚した。AT-HS6は上面がかなり反っていて水準器を置く場所によって傾きが大きく違ってしまう。これじゃあヘッドシェルを交換した意味がないどころか悪化してるじゃん。カートリッジ取り付け部の真上辺りを基準にすると、6mmのターンテーブルマットを使ってアームの高さはメモリで5mmの位置になった。これなら純正のターンテーブルマット(2mm)でも水平を出せる。
まぁまぁまぁ
改めてDL-103を聴き直すと、MCカートリッジらしい繊細な高域とどっしりした低域の安定感で実に楽しい。押し出し感も結構あるね。ヘッドシェルを交換する前後で音に違いがあるのかは正直なところわからない。それにしてもAT-HS6が精度的な部分で少々期待外れだったことでモヤモヤが晴れないわー。テクニクス純正ヘッドシェルに戻したい気持ちもありつつ、またネジを締めるのに苦戦するのも嫌だしなー。